授業No.028「いっぱいの命に守られて生きること。」その3
2009年10月15日木曜日
授業No.028「いっぱいの命に守られて生きること。」の授業2日目の様子をご報告いたします。
8:40 授業開始
はじめに辛島先生のお話
*布を作る仕事について
*布は何からできてるか?絹、麻、綿、毛の説明
*なぜ染織の道を選んだのか?
染織を選ぶきっかけとなった、国語の教科書より「一色一生」
の朗読を聞きました。
布や先生のお仕事のお話をするにあたって、
「子ども達の手で触れて実感してもらいたい」という辛島先生の想いから
絹、麻、綿、毛の実物を用意しました!
綿花の鉢や羊毛、着物一反分の2600個の繭を初めてみた子も多かったのではないでしょうか?
また、それらの素材から作った辛島先生の作品も展示しました。
植物染料で糸を染め、織った着物は圧巻でした。
9:30 植物染料作り
昨日子ども達が採集した植物で染料をつくり、繭を染めます!
はさみで細かくした植物をずんどう鍋で煮ます。
紗とザルで漉し植物染料の完成です。
完成した染料に1人2頭の玉繭を鍋の中へ入れしばらく浸けておきます。
玉繭を浸けている間に、子ども達がこの日のために育ててきた蚕の繭から糸を引きました。
1人1頭を箱から丁寧に手で取り出し、繭のまわりについている繭毛羽をとります。
先生がみんなの繭を鍋で煮るにあたって
「もらった命を身につけているからにはそのもらった命の分、生きよう。」
というお話がありました。
辛島先生のメッセージがみなさんに伝わったのではないでしょうか?
煮上がった繭を1人1頭配り、生糸を引きました。
10:35 課題の説明
今回の作品のテーマの1つでもある、「誰かのためにつくること」の説明をしました。
素材に変わった命に感謝をし、その想いをまた違う誰かに繋ぐために、
感謝したい人への贈り物の制作をします。
11:25 繭の媒染
植物の染料に浸けておいた繭に色を定着させるため、媒染を行ないます。
今回は媒染にミョウバンという口に入っても安全な薬品を使用しました。
ミョウバンを溶いた湯の中に繭を浸け、水洗いすると媒染の完了です。
以上で制作の準備は完了です!
蚕の繭を使った表現方法
を辛島先生のデモンストレーションをみんなで見ました。
それを参考にこれまでに紹介した材料を使って作品づくりの開始です。
F8号の木枠に「誰かのためにつくること」をテーマに自由に作品をつくりました。
初めて触る素材に夢中になって制作しました。
作品完成後に先生が1人1人にコメントをしました。
最後に集合写真を撮って授業は終了しました!
材料作りから作品の完成まで、2日間にわたって行なわれた今回の授業ですが、
どの行程も子ども達が真剣に取り組んでいたのが印象的でした。
得に、材料が完成してからの制作の時間では夢中になっていました。
児童の熱気がこちらにも伝わってくるようでした。
辛島先生はじめ北豊ケ丘小学校関係者のみなさま、
また材料や、資料、施設の面で協力して頂いたみなさま大変お世話になりました。
本当にみなさまのお力添えなくしては成立しえない授業でした。
改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。
(森)
Posted by 出前アート大学 12:26
カテゴリー: No.028北豊ヶ丘小学校