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No.038「君が主役★★★劇団CUE」ご報告!


2月25日(金)に港区麻布小学校にて、5年1組30名の児童を対象に、

「君が主役★★★劇団CUE」という授業を行いました。
講師をしてくださるのは、資生堂のアートディレクターであり、
アーティストの成田 久さん('97 本学デザイン科染織デザイン専攻卒業)です。
授業の様子をご報告します!

授業タイトル:「君が主役★★★劇団CUE」
日時:2月25日(金)10:50〜15:05
場所:港区立麻布小学校 5−1教室 多目的ホール

10:50〜11:35(3時間目) 講師作品紹介


授業の始めにスタッフの自己紹介を行いました。
スタッフの次は成田先生です。
まずは、成田先生の紹介映像「CUE(きゅー)」の上映です。
生い立ちから現在のお仕事まで、カラフルな写真と音楽で構成 された
映像の迫力に児童たちは釘づけです。


続いて、資生堂アートディレクターのお仕事が紹介されました。
成田先生が担当したシャンプーとコンディショナーや、テレビのCMは
児童も一度は目にしたことのあるものばかりで歓声が上がります。
パッケージやポスターのデザイン、CMのキャスティングから制作まで、
商品をステキと感じ、愛されるように、商品に関わるすべてをデザインするのが、
アートディレクターのお仕事だそうです。
「かわいいものを作って、みんなをハッピーにしたい!」
成田先生のこだわりが随所に感じられます。


そして、アーティスト活動で制作した作品の紹介です。
布を縫って作るコスチューム作品や絵のほか、壁や床から家具まで、
部屋がまるごと作品になっているものもあります。
コスチューム作品は次の時間に着られるそうです。楽しみですね!


11:40〜12:25(4時間目) コスチューム体験



教室から多目的ホールへ移動します。
すると、そこには床一杯に、色とりどりのコスチューム作品が置かれていました。
どの作品も一枚の布をミシンで細かく縫ってマス目を作り、
その布を組み合わせて作られています。

成田先生が早速、制作途中だったパーツにミシンをかけ、一着のコスチュームを
完成させました。

担任の余語先生がモデルになって、着てみます。
着てみると布が立体的に立ち上がり、手にしている時には気づきにくい
面白い形が身体のまわりに浮かび上がります。
銀色のコスチュームを見事に着こなす余語先生、なかなか素敵です。
次はいよいよ児童の番です。
「着かたにルールはないので、みんな自由に着てみてね!」
成田先生の声で、コスチューム体験がスタートしました。


服だけでなくネクタイやリボンもあり、めいめいに組み合わせて
オリジナルの着かたを楽しみます。

着こなしが決まったら、撮影です。
みんな、どんな姿に変身したのでしょうか?


最後にクラス全員で撮影をしました。


13:30〜14:15(5時間目) らくがき刺繍


成田先生が名づけた「らくがき刺繍」は、落書きをするように
自由に楽しく刺繍をするやり方です。
今回は、成田先生の顔がプリントされたハンカチ作品に刺繍をします。
実はこのハンカチ、2月10日(木)に児童へ向けて行った授業の事前授業 で配られ、
「ハンカチにプリントされた先生が授業にくることをお家の人に伝える。」
「ハンカチに自由に刺繍をしてくる。」
という2つの宿題がだされていました。
刺繍はミシンを使ってもOK! 家の人がやっても、何をしてもOK! というもの。
授業前日に図工専科の工藤先生から「見本よりたくさん刺繍をした」
という児童もいると聞いて、成田先生とスタッフ共に楽しみにしていました。
のぞいてみると、どうやら力作揃いです。
授業では、さらに刺繍を進めます。どんな出来上がりになるのでしょうか?



「らくがき刺繍」では、一列に並べられたテーブルに、
先生手作りのテーブルクロスをかけました。
いつもの多目的ホールが、華やかな雰囲気に変わります。


ほとんどの児童が刺繍は初めてでしたが、みんな意欲的に取り組んでいました。
ハンカチの成田先生の顔が魅力的で、思わずやりたい!と思ってしまうのかもしれませんね。

成田先生とお話しながらのらくがき刺繍。楽しくて、あっと言う間に時間が過ぎていきました。


14:20〜15:05(6時間目) 発表・まとめ


拡大鏡でハンカチを写しながら、一番好きな刺繍をみんなの前で発表しました。
眼鏡をかけていたり、髪型が変わっていたりと児童ひとり一人、
それぞれにアイデアを凝らした成田先生が出来上がりました。

中には家に持ってかえった時に、おばあちゃんやお母さんや兄弟など、
家族が参加したり、一緒に縫った人もたくさんいました。
ハンカチをきっかけに、話がひろがったり、家族で一緒に楽しめるのは嬉しいことですね!

発表が終ったあと、成田先生から
ハンカチは、ひとり1人が違うステキなものができあがったこと、
これからも自由に楽しいことをどんどん見つけ自分の表現を続けてほしいということ、
みんなと一緒にコスチュームを着たり、落書き刺繍できてとても楽しかったと、
お話がありました。

成田先生もおもいきり楽しんだ劇団CUE。
麻布小学校が初の試みでしたが、とても楽しい活動だったので
今後も全国でたくさんの公演を行いたいそうです!


完成したハンカチは全員分を一枚に縫い合わせて旗にし、校内に展示しています。
展示終了後、ハンカチは児童ひとり一人のもとに戻ります。

授業の実施にあたり、港区立麻布小学校 鈴木義治 校長先生、関山康紀 副校長先生、5年1組担任 余語 亮先生、図工専科 工藤仁美先生をはじめとする先生方に、多大なご理解とご協力をいただきました。

そして、授業運営にあたり、音楽担当の中村太一郎さん、講師ドキュメンタリー撮影の影山二郎さん、アシスタントスタッフの永峰美雲さん、宮田彩加さん、緒方瞳子さリンクん、高橋香織さん、新納布美さん、鳥塚英玲奈さんに温かく力強いサポートをいただきました。

毎週水曜日19:55〜20:00にテレビ東京系で放映されています。
今回の授業放映は2012年3月末までのいずれかを予定しているそうです。
こちらも決定しましたら告知いたします。
是非楽しみにしていてください。


そして、多くの見学者の方々にお越しいただき、皆さまのご協力のもと、無事に授業を終えることができました。誠にありがとうございました。

(飯田)

Posted by 出前アート大学 22:45  



屋代敏博講師が参加されている展覧会に行きました!

2011年2月4日(金)に板橋区立常盤台小学校で行われた
授業No.037「映像であそぼう」で講師をしてくださった
屋代敏博さんが出品されている展覧会に行ってきました。


この展覧会は板橋区に関わりのある7名の作家が出品しており、
初日の14時から作家によるコミッショナー&アーティストトークがありました。

屋代さんは出品作品の前で、作品づくり(写真撮影)を観客の目の前で行っていました。ぜひ、会場でその作品を鑑賞ください。屋代さんはとてもカラフルです!

ご自身を絵の具に見立てて、撮影する空間にはどんな色で溶け込もうか
考えながらコスチュームや組み合わせを選ぶそうです。

展覧会では板橋区立常盤台小学校で実施した出前アート大学の授業の様子をまとめたドキュメンタリー映像が上映されています。
児童の楽しそうな姿や、授業の中で作った映像作品を見ることができます。

最後に作品の前でポーズをとってもらいました!


「発信//板橋//2011」、ぜひ会期中に足をお運びください。

「発信//板橋//2011」
会期:2011年2月26日(土)〜3月27日(日)
   9:30〜17:00(入館は16時まで)
会場:板橋区立美術館
    〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27
   
03-3979-3251
出品者:屋代敏博 他 6名
観覧料:一般 300円 高校・大学生 100円 小・中学生 無料
板橋区立美術館ホームページ:
http://www.itabashiartmuseum.jp/art/index.html


屋代さんのこの他の展覧会情報です。

『 母船を離れて - The Fruits of Adventures - 』 
会期:2011年3月11日(金)〜4月28日(木)日・月・祝日休廊
   10時30分〜18時30分(土曜日は17時30分まで))
会場:ZEIT-FOTO SALON (ツァイト・フォト・サロン)
   〒104-0031 東京都中央区京橋1-10-5 松本ビル4F
    03-3535-7188 
出品者:屋代敏博 他 9名
ZEIT-FOTO SALON ホームページ:http://www.zeit-foto.com/

是非お出かけください。
(佐藤)

Posted by 出前アート大学 12:56  



No.038港区立麻布小学校「君が主役★★★劇団CUE」予告!

No.038出前アート大学の授業は2月25日(金)に港区立麻布小学校にて
5 年生31名を対象に行います。

講師は、資生堂のアートディレクターであり、
アーティストの成田 久さんです。
皆さんから親しみを込めて「CUE(きゅー)」と呼ばれる成田さん。
授業では劇団CUEの団員となった児童ひとり1人が主役となり、
自分らしい表現をおもいきり楽しみます。

成田さんの世界感に触れながら、身体を使い、
手を動かし、思ったこと、感じたことを自由に表現する授業です。
麻布小学校のみなさまどうぞよろしくお願いいたします!



成田 久 氏 プロフィール
'97多摩美術大学デザイン科染織デザイン専攻卒業
'99東京藝術大学大学院美術学部デザイン専攻修士課程修了
アーティストとしては、カラフルでポップな色使いと緻密な縫製が
特徴の布を使ったインスタレーション作品やドローイング等発表。
資生堂では 蛯原友里を起用した'06アネッサのアートディレクション、
同CM曲のBONNIE PINK CD関連のデザイン。
その他'08マキアージュ、マシェリ、壇れいの'09ベネフィーク等。


「マシェリ」

「衣植」
2010年8月4日 〜7日BASARA展スパイラルガーデンにて


(森)

Posted by 出前アート大学 17:52  



No.037 「映像であそぼう」ご報告!


2月4日(金)に板橋区立常盤台小学校にて4年生3クラス94名の児童を対象に、「映像であそぼう」という授業を行いました。講師をしてくださるのは、写真家の屋代敏博さんです。みんなで協力して被写体やカメラマンになることで映像の世界に親しみ、そこから伝わる面白い効果や時間感覚など、普段とは違う物事の見え方を体験しました。その様子をご報告します!



授業名:「映像であそぼう」
対象:板橋区立常盤台小学校(94名)4年生3クラス
講師:屋代敏博 氏('94本学美術学部二部芸術学科卒業)
日時:2月4日(金)8:45〜15:15
場所:板橋区立常盤台小学校 体育館、校庭



8:45〜9:35 (1時間目)


「オリエンテーション、「94名で渦をつくる」」

4年生3クラスの児童が体育館に集合しました。出前アート大学特製の名札を胸に貼ったら、授業開始です!挨拶の後、スタッフの自己紹介をしました。全員の紹介が終わったのですが、あれ?主役の屋代先生がいません。さっきまでいたはずなのに…。と、体育館のどこからか、屋代先生の声が聞こえてきました。



「おーい!!」と突然跳び箱の中から屋代先生が登場!真っ赤な全身タイツに、カラフルなテープが巻かれて、大きな星形のサングラスを掛けています!意外すぎる先生の登場に、体育館は驚きと笑いに包まれました。


さて、屋代先生は普段どんなことをしている人なのでしょう?「回転回」という代表作を紹介してくれました。屋代先生や人がその場でクルクル回転している様子を、カメラで撮影し、写真の作品を発表しています。今回はその映像バージョンに挑戦するそうです。授業で行なうバレット撮影という方法を教えてもらいました。
※バレット撮影…映画「マトリックス」で使用された特殊効果で、被写体の周りにカメラを複数並べて全方向から撮影する方法


まずはみんなで体を動かしましょう!顔の運動、腕をくるくる回したり、足踏みしたり、ジャンプしたり。体が温まったら、「94名で渦をつくる」の撮影開始です。屋代先生の号令で、歩いたり、走ったり、電車になったり、渦巻きになって回ったりしました。大勢の児童が歓声を上げながら元気に動き回る姿は、圧巻です。さあ、キャットウォークから撮影された写真が、どんな映像になるのか楽しみです。


09:40〜12:20 (2〜4時間目)

「彫刻になろう」

2時間目から4時間目までは、ひとクラスずつ授業を行ないました。カメラを12台円形に組んで、児童達が中心で彫刻になり、セルフタイマーで一斉に撮影をします。3チームに分かれ、それぞれの役割を順番に担いました。



「彫刻」では、円の中心に入りチームで彫刻になってポーズを決めます。どんな彫刻になろうか、みんなで考え、小学校にあるフラフープや三角コーン、ボールなどを取り入れて、チームごとに独創性のある彫刻になりきります。



「撮影」では、一眼レフカメラのボタンを一斉に押して撮影をします。撮影する際は、全員で声を出して5,4,3,2,1とカウントダウンをし、みんなのタイミングを合わせ、シャッターを押します。


「風景」では、撮影をした際、被写体である彫刻の背後が写るため、作品の風景となって、それぞれに面白くポーズを決めて写ります。


各工程の撮影が終わるごとに、校長室で編集作業が迅速に行なわれていました。撮影した写真を繋げて上手く映像にみえるか、スタッフでチェックをしています。撮影したものが、すぐに映像に早変わりするところが、今回の授業の特徴です!
(門脇校長先生、校長室をお貸しくださり、ありがとうございました!)


13:40〜14:25(5時間目)


「94名で人をつくる」

お昼休みを終えて、今度は3クラス全員で撮影をします。児童にはランドセルを背負って集まってもらいました。映像の中で小学校らしさを入れようという屋代先生のアイデアです。児童が人がたを作りながら、手を繋いでゾロゾロと歩いたり、その場でクルクル回ったり。みんなで歩調を合わせてかたちを作るのは、至難の業です。人がたの出っ張りやへこみの部分にスタッフがポイントとして立って、一緒に歩いて児童を誘導しました。校庭にいる私たちには人がたが上手く出来ているのかは、全く分かりませんでしたが、4階の教室から撮影をしている屋代先生からはいいよ〜!と声がかかります。最後は一斉に校庭の隅に散って、撮影が終了しました。


14:30〜15:15(6時間目)



「鑑賞会」

みんなで撮影した写真はどんな映像に仕上がっているのでしょう?わくわくしながら11作品の鑑賞をしました。「94名で渦をつくる」、「94名で人をつくる」はスローモード撮影をして被写体がブレているので、みんなの体が絵の具のように溶けた感じになっていました。それが少し早回しで溶け合いながら変化していき、渦や人がたが大きな生き物のようで不思議な映像になりました。「彫刻になろう」では、つぎつぎと視点が変わり、なんだか目が回ってしまいそう。映像だからできる面白い動きや効果に、児童の笑い声が絶えませんでした。最後に屋代先生から、みんなで一緒に同じ体験、時間を共有したことを大切にして欲しいとお話がありました。


遊ぶようにみんなと時間を過ごしましたが、完成した映像の中では、ひとり一人の姿がひとつの固まりに、またバラバラになったり、それが全く別の生き物のように見えたりと、不思議で面白い作品が完成しました。沢山の仲間と一緒だからこそできた、かけがえのない体験になったのではないでしょうか。

この大規模な授業のために、多くのサポートがありました。
まず、非常にプロフェッショナルな動きをしてくれたアシスタントスタッフの皆さん、渡辺 望さん、前澤妙子さん、山本 渉さん、矢川健吾さん、林 陽里さん、嶋田洸介さん、河田涼士さん、三石啓子さん。
そして常盤台小学校は、授業担当の津田理事の母校でもあり、同窓生の方が見学にいらしてくださいました。佐波圭子さん、吉野京子さん、百瀬英一さん、佐藤 宏さん。
後述いたしますが、これからお世話になる板橋区立美術館の学芸員、弘中智子さん、佐藤さおりさん、松岡希代子さん。
出前アート大学からは、元理事の安藤 亨さんと上村二基さん。坂井忠平会長、清水満久理事、和田則夫理事、齋藤敦子理事、塩川 岳理事。

授業で使用した一眼レフカメラ12台は、キヤノンマーケティングジャパン株式会社よりご提供いただきました。

皆様のお力添えで、授業が実現いたしました。本当にありがとうございました。

そして最後に、常盤台小学校の門脇 正校長、湯澤斉之副校長、4年生担任の山田泰浩先生、佐々木このみ先生、宮一純子先生。実施において、幾度にも渡る打合せへのご協力と的確なアドバイスをいただきました。本当にありがとうございました。

今回の出前アート大学で行なった授業は、板橋区立美術館で発表される予定です。屋代先生を含めた数名の作家の方のグループ展となります。詳細は美術館のホームページをご覧下さい。また開催が近くなりましたら、ご案内いたします。

板橋区立美術館ホームページ 
http://www.itabashiartmuseum.jp/art/index.html

「発信//板橋//2011」
会期:2011年2月26日(土)〜3月27日(日)9:30〜17:00(入館は16時まで)
観覧料:一般 300円 高校・大学生 100円 小・中学生 無料


まだ、授業のお楽しみは続きます。これからもどうぞご注目ください!


(中井)

Posted by 出前アート大学 8:51