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No.034「みんなでさがそう!楽しいアート!」ご報告


9月1日(水)と2日(木)に北海道久遠郡せたな町立馬場川小学校にて
馬場川小学校7名と島歌小学校12名の児童を対象に、
「みんなでさがそう!楽しいアート!」という授業を行いました。
講師をしてくださるのは、美術家の岡 典明 氏です。
見て、さわって、においをかいで、身の回りにあるものを五感で感じ、
探求し、発見し、想像をひろげることの大切さ学ぶ授業です。
その様子をご報告します!


授業名:「みんなでさがそう!楽しいアート!」
対象:馬場川小学校(7名)と島歌小学校(12名)の1年から6年生 全校児童
講師:岡 典明氏('90 油画卒)
日時:9月1日(水)14:05~14:50
   9月2日(木) 8:20~13:55
場所:せたな町立馬場川小学校 オープンエリア

9月1日(水) 14:05~14:50(6時間目)

まずは自己紹介です。岡先生が写真パネルを使って作品を紹介します。

続いて児童です。
名前や学年とともに、事前に岡先生から送られた招待状に書かれていた持ちもの
「身の回りで、形や色、さわり心地、においで気に入ったもの、おもしろかった
もの(手のひらにのる大きさまで)5個」の中から1番気に入ったものとその理由を
発表しました。


9月2日(木) 8:20~9:10(1時間目)

最初に行われたのは視覚クイズです。
ものの一部を拡大撮影した写真を見て、それが何であるかを考えます。

そして、家から持ってきた気に入ったものを、10倍のファインルーペを
使って観察しました。身の回りのものを拡大して見ると、いつもとは
違ったものに見えてしまうから不思議です。

そのルーペを持って、全員で学校まわりの散策にも出かけました。


9:20~10:00(2時間目)


続いては、触覚クイズです。
箱の中にあるものを触り、肌触りを感じたりそれが何であるかを考え、
アート発見手帳へ書き込みます。


10:25~11:10(3時間目)

次は型押し遊びです。
見て、触って形を確かめたものをテラコッタ粘土に押し当てて、
凹んだ形を楽しみます。
岡先生が美しく形を写しとるコツを実演しました。

そして、「形の記憶ーミツロウ化石」づくりに挑戦です。
テラコッタ粘土で型を作り、ミツロウ※を流し込んで、身の回りにあるものを
かたどります。



縁を高くつまみ出した葉書サイズの粘土板に、型押し遊びと同じ要領で好きな
ものを押しあててオリジナルの模様を作ります。

※ミツロウ:ミツバチが巣をつくるために体内からだす蝋成分を集めたもの。
授業では精製された晒しミツロウを使いました。独特の甘い香りがあります。


11:20~12:05(4時間目)

3時間目に作った粘土の板に、溶かしたミツロウを流し込みます。
岡先生からミツロウについての説明とやり方を聞いた後、児童は1人ずつ
先生と一緒に型にミツロウを入れていきます。


流し込みと並行して、ミツロウ作品のタイトルを考えてラベルに書き込んだり、
作品を入れる箱づくりも行いました。

そして、授業の終りには、いよいよ固まったミツロウを粘土板からはずします。
細かい凹みに残った粘土を取り除きやすくするため、一旦、作品を水につけ、
4時間目が終了しました。



昼食は体育館で、岡先生、児童、先生方、スタッフと皆で大きな机を囲んで、
給食を頂きました。


13:10~13:55(5時間目)
ミツロウの凹みに残った粘土を、歯ブラシや楊枝を使って洗い落とします。
洗い終わったら、水を拭き取って箱に詰めます。

そして、全員の作品を並べて、鑑賞会を行いました。

最後に岡先生から児童へメッセージがありました。
「2日間にわたり、見たり、触ったり、においをかいで、たくさんの
発見をしました。参加したみんなはすでにアート発見隊の隊長です。
授業が終わった後も、まわりの人にアートの見つけ方を伝えて、
アート発見隊のメンバーを増やしてください。」

美しく豊かな自然に囲まれた せたな町で暮らす児童たち。
身の回りにあるものを五感で感じ、探求し、発見し、想像をひろげることの
大切さや楽しさが、日々の生活をより輝かせることでしょう。


今回の授業では、馬場川小学校と島歌小学校の先生方が、積極的に児童を
サポートし、授業を支えてくださいました。


先生方とは9月1日(水)の放課後に打合せを行い、岡先生から授業のねらいや
流れについての説明を聞いた後、「形の記憶ーミツロウ化石」づくりを体験
しました。

授業の実施にあたり、馬場川小学校 佐藤教頭先生、島歌小学校 白石校長先生、
村田教頭先生をはじめとする両校の先生方、せたな町役場 産業振興課長 篠塚様と
職員の皆様、せたな町教育委員会 会長 高野様と会員の皆様に多大なご理解と
ご支援、ご協力を賜りました。
また現地の移動では、温泉ホテル きたひやま 大清水様にもご協力を頂きました。
多くの方々に支えて頂き、授業を実現させることができました。
誠にありがとうございました。

(飯田)

Posted by 出前アート大学 15:04  

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